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日本茶を通じて日本の文化を世界へ:ミルズ北浦まどかさん

Updated: Mar 31, 2023


オーストラリア、メルボルンで、本格的な日本のお茶が飲みたい。そんな一心で日本茶の輸入販売を始めた方がいらっしゃいます。

今日は、そんなメルボルン在住の日本茶アンバサダー、ミルズ北浦まどかさんにお話を伺いました。


 

<プロフィール>

ミルズ北浦まどか

オーストラリア、メルボルン在住 日本茶販売店経営&日本茶アンバサダー


日本茶のオンライン販売、卸、ワークショップなどの活動を通じて、日本茶の健康ベネフィットやおいしさ、日本の文化を広めている。





 


ーまどかさんは現在、メルボルンで日本茶の販売をされていますが、どのようなきっかけや経緯があってお茶の販売をしようと思われるようになったのでしょうか?


きっかけは2つあって、一つは、数人のオーストラリア人の女性達から「どこで美味しい日本茶が買えるの?」と、立て続けに聞かれたのがきっかけです。彼女達は全員、過去に日本に住んでいた事があり、「日本では普通に買える質の良いお茶が、メルボルンでは買えないのよ。」と言っていて、最初は自分のお茶を少し分けてあげたりしていました。


2つ目としては、自分自身がメルボルンで手に入る日本茶の質に疑問を持ったというか…元々抹茶は大好きなので、メルボルンに初めて抹茶カフェが出来た時には「ついにきた!」という感じで、ワクワクしながらそのカフェを訪れたんです。

でも、実は、その時飲んだ抹茶ラテが激マズで…(苦笑)「えー?これは本当の日本茶のおいしさじゃない!」と失望したと同時に、「本物の味をお届けしたい!」と勝手な正義感というか老婆心というか、私のお節介魂に火がついた感じですね。


それが、2016年の出来事だったのですが、色々とリサーチしたり、日本の知人からお茶屋さんを紹介していただいたりとご縁もつながり、2018年にメルボルンで日本茶を扱うお茶屋さんを開始しました。


最初は、知人を介して口コミでお茶の販売をしたり、知り合いの習い事教室の場所を提供してもらってワークショップをすることから始めました。


今現在は日本茶アンバサダーとして、オンライン販売、ジャパンフェスでのイベント販売、カフェやホテルなどへのホールセールを通じてお茶の魅力をお届けする活動をしています。




ーメルボルンでは日本贔屓の方も多いと感じますし、日本の食べ物が好きな方も多いですよね?日本茶に関してはどんな方がご購入されているのですか?



メルボルンは、食事や健康に気を使うヘルシー志向の人が多い印象です。

ですので、日本茶を『健康食品』として取り入れられる方も多いので、まずは高級オーガニックの茶葉を取り扱い始めました。


購入される方は女性が多く、ヨガの先生などをされている方など健康に気を使われる方や、最初にも言いましたが、日本に住んでいたことがある方が日本の『本物の味』を求めていらっしゃる場合もあります。すごく日本通で日本が大好きという男性の方もたまにいらっしゃいますよ。


あとは、アジア系の方で日常的にお茶を飲む習慣が元々ある方も、中国茶や台湾茶などとはまた違う日本茶を楽しみたい、と来られることも多いです。


お茶のワークショップを開催されるまどかさんと参加者さん


ーお茶といえば、日本伝統の茶道がありますし、すでにメルボルンでもいくつかの茶道教室があります。それなのに『茶道』ではなく『日本茶』をメルボルンで広めたいと思われたのはどうしてでしょうか?



茶道で出されるお抹茶も日本茶の一種ですし、私も抹茶の販売もしています。


茶道は日本の伝統的な茶の飲み方のスタイルであり、非常に文化的であって、着物の着付け、お道具や和菓子、お作法もなども含めた日本の美意識や哲学などとても奥が深いものです。


日本的で魅力的、と、多くの方々がとても関心を持たれている一方で、決まり事も多いので、非常にミステリアスで敷居が高いと感じてしまうのも茶道だと思います。


その点、一般的な『日本茶』は茶葉を湯で煮出したお茶を飲むだけなので、茶道と比較したらすごくお手軽だし誰でもすぐに始められますよね。普段から紅茶などを飲んでいれば、手順も同じなので敷居も全く高くはないと思います。ですので、日本茶の健康ベネフィットなども知っていただきたながら、そこをきっかけに日本文化にも興味を持っていただいて茶道人口も増えたら最高だなと思っています。



ーまどかさんはお茶の販売だけでなく、『マインドフルネス』を感じるワークショップもされていましたよね。お茶とマインドフルの関係について、まどかさんが感じていることや想いを教えてください



普段何気なく飲んでいるお茶でも、一杯のお茶を丁寧に淹れて味わってみるとすごく美味しいということに気がつくと思います。

お茶の種類にもよりますが、お茶を入れるのにかかるのにかかる時間はほんの数分です。

なのに、普段は何かをしながらお湯を沸かしたりお茶を入れたり、ながら作業になっていることもしばしばです。そこに集中して、数分だけでもお茶の茶葉が開く瞬間の香りを楽しんだり、自分や周りの人に美味しいお茶を入れてあげることに意識を向けるってすごく素敵じゃないかなと思います。



オーストラリアの方も関心が高い日本茶ワークショップ

ーところで、鉄瓶でお湯を沸かすと美味しくなるという話を聞いたことがあるのですが、本当ですか?


本当です!沸かしたお湯を白湯で飲むだけでも違いがすごくわかりますよ!

特に、烏龍茶や台湾茶などの茶色いお茶は、味の違いがわかりやすいです。


実は、オーストラリアで買える鉄瓶には2種類あって、内側がホーローでコーティングされているものと、鉄が剥き出しになっているものがあります。

ですので、購入される際には是非、鉄が剥き出しになっているものを選んでみてください。

私は岩手出身なので、南部鉄瓶にはちょっとした思い入れもありますし、鉄瓶は3つ持っていて人間国宝の方に5年待ちで作ってもらったものもあるんですよ!

私のお勧めは、急須と兼用できるサイズの0.6~0.8リットル入るものです。このサイズなら火に直接かけることもできますしね。




ー昨年は、お茶を使ったチョコレートも開発&販売されていましたよね?私もいただいたのですが、抹茶だけでなくほうじ茶のチョコレートは初めてでしたが、お茶の香りが濃厚ですごく美味しかったです!そのチョコレートを作った経緯を教えてください。


お茶のサブスクリプリョンを始めたのですが、そこでお茶菓子も一緒に販売できたらいいなと思ったのがきっかけだったんです。

ローカルのチョコレート職人の方を見つけて共同で開発したのですが、その方がたまたまヴィーガンの方だったので、乳製品を使用しないヘルシーなチョコレートが出来上がりました。


今現在はその方がお休みされていてチョコレートも製造休止状態ですが、また準備が出来次第販売したいとは思っています。




ーこのメルマガは、ウェルビーイングをさまざまな方法で実現できるための情報を発信していますが、まどかさんご自身がより『幸せ』に人生を過ごしていくために生活の中で気にかけていることや、実践していることがあれば教えてください。


日常的に気分が上がる小さいことを意識的に取り入れています。

お茶とかコーヒーを入れて飲むって、とても手軽にできることなのですが、ただ喉を潤すことを目的に飲むのか、それとも特別な一杯にするよう意識するかで気持ちが大きく変わると思います。


私は、朝はちゃんと沸かしたお湯でまず丁寧に一杯のお茶を淹れます。

全工程でほんの数分ですが、その時間はかなり集中しています。


ご近所のロースターで店員さんと会話しながら買ってきたコーヒー豆を挽いて淹れたコーヒーを、作家さんが作った素敵なカップで味や香りを楽しみながらいただくって、本当に特別な時間だと思うんですよね。


普段日常的にやっていることでも、意識的に「とりあえず」の思考をやめてみる。

そして、一つ一つのプロセスを丁寧に楽しむ。


それだけでも、ちょっとしたマインドフルネス効果はあるんじゃないかなと思いますよ。そういった小さいことでも、十分に自分へのご褒美になると思います。

メルボルンの無印店頭でのお茶の実演販売中


ーこれから、よりウェルネスを実現しながら人生を送るために、このインタビューを読んでいる方にアドバイスできることやメッセージをお願いします。


昔からのことわざで『朝茶は七里帰っても飲め』という言葉があります。

『もし朝お茶を飲み忘れてしまったら七里の距離離れていても戻ってきて飲むべき』という意味ですが、それほど朝茶は体に良いと思われていたということですよね。


『七里』を計算してみると、なんと27.5kmもあるんですけどね!(笑)現代人はそこまで遠く歩くことはあまりないと思いますが、それでもこの朝茶の習慣はとても大切だと思って、私自身も日々実践しています。


大地からの栄養や太陽の恵みを丸ごといただくことができるので、身体に良いエネルギーが入ってくるのを感じることが出来ます。

朝活のお供に、朝茶習慣も取り入れてみてください。何かいいことが起こるかもしれませんよ!




 

編集後記 まどかさんの探究心と、美味しいお茶へのこだわりや愛を感じるインタビューでした。色々なきっかけがあって今のお仕事や活動をされている方もいらっしゃると思いますが、「たくさんの人に質問された。」「たくさんの人に褒められる。」などのほんの小さなきっかけやサインを自分の中で見逃さず、行動に移していくエネルギーや情熱が大切なのかも、と感じました。


私自身もメルボルンで美味しいお茶が飲めることは、本当にラッキーだな!と感じている日本人の一人です。美味しいお茶を淹れる過程から丸ごと楽しめる心の余裕を作り出していきたいですね。


ENVITA編集部


 

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