ヨガ(ポーズ)は、古代のインドの智慧と哲学に基づく総合的な身体運動法です。欧米でも日本でも、これほどまでにヨガの人気が高まり、必ずと言っていいほど街にはヨガスタジオがある状態を、15年ほど前でさえ想像できたでしょうか?情報が溢れ、今までは古来から師匠から弟子へ伝承されていたようなメソッドでさえ、あっという間に指導する人を増やすこともできることになりました。
でも、ヨガをあまり知らない人にとっては、『〇〇ヨガ』という様々な名前に困惑する人もいるかもしれません。この記事では、ヨガの起源、異なるヨガの種類、およびヨガがもたらす健康へのメリットについて探ってみましょう。心と体の調和を追求する人々にとって、ヨガは貴重なツールとなることでしょう。
ヨガの起源
ヨガは紀元前の古代インドの哲学と宗教に根ざしています。古代のヨガの目的は、心と体の調和、内なる平和、そしてエンライトメント(悟り)を求めることでした。「ヨガ」という言葉が記された最古の文献は「ウパニシャッド聖典」だと言われています。これはあかつてアーリア人が侵攻していたバラモン教宗教の「奥義書」です。ここでは「ヨーガ」は「結ぶ」「コントロールする」「バランスをとる」という意味を持っていました。
古典的なヨガの教えは、主に4世紀ごろにインドの哲学者パタンジャリが編纂した『ヨーガ・スートラ』にまとめられています。この経典が根本経典として最古の文献とされています。
ヨーガ・スートラは、瞑想を中心にどう生きるべきかを探す方法を説いており、現在のポーズを中心としたヨガではなく瞑想と座法を中心とした内容が記されています。
具体的には「ヨガとは心の動きを抑制すること」という有名なヨガの定義からはじまり、心身がその定義に到達するための修行方法などです。
その中には現在のヨガの根本となる八支則(アシュタンガ)についても記載されています。
アシュタンガ(八支則)とは?
八支則は日常生活で実践すべき教えが記載されています。呼吸と動きを連動させて集中力を高め、深い瞑想ののち悟りの境地に達することが最終目標です。
八支則は以下のように記されています。
1. ヤマ(禁戒):暴力や盗み・欲望など日常生活でしてはいけない心得
2. ニヤマ(勧戒):自分自身と正しく向き合うために行うべき自己鍛錬
3. アーサナ(坐法):安定して快適な坐法を見つけるための練習
4. プラーナヤーマ(調気):瞑想に集中するため呼吸を整えること
5. プラーティヤハーラ(感覚の制御):何があっても動じない強い精神をつくること
6. ダーラナ(集中):集中力を高めて長時間キープすること
7. ディアナ(瞑想):雑念を捨て感覚の制御と集中が自然に行えること
8. サマーディ(悟り):煩悩からの解放・悟りのこと
深い瞑想を行うために自分の心身に集中し、他者から惑わされない精神力を養なうことが八支則に含まれています。
ヨガの健康へのメリット
ヨガの継続的な実践は、身体と心の健康にさまざまなメリットをもたらします。
身体的な強さと柔軟性の向上: ヨガのポーズやストレッチングは、筋力と柔軟性を促進し、姿勢を改善します。また、身体のバランスや調整能力も向上させます。
ストレス軽減とリラクゼーション: ヨガの瞑想や深い呼吸法は、ストレスの軽減とリラクゼーションに効果的です。瞑想の実践は、心の安定や内なる平和を促します。
内臓機能の改善: ヨガのポーズや呼吸法は、内臓の健康をサポートし、消化や循環系の機能を改善します。
精神的なクラリティと集中力: ヨガの実践は、精神的なクラリティと集中力を高めます。瞑想やプラーナヤーマは、心の安定と気づきをもたらし、集中力を向上させます。
ヨガの種類
現在、ヨガにはさまざまな種類があります。以下にいくつかの主要なヨガのスタイルを紹介します。
ハタ・ヨガ: ハタ・ヨガは、物理的なポーズ(アーサナ)、呼吸法(プラーナヤーマ)、瞑想などを組み合わせた総合的なアプローチです。ヨガの基礎となるスタイルであり、体力や柔軟性の向上に焦点を当てています。
ヴィンヤサ・ヨガ: ヴィンヤサ・ヨガは、流れるような動きと呼吸の調和を重視したスタイルです。アーサナを連続的に行い、心身の統一を追求します。
アシュタンガ・ヨガ: アシュタンガ・ヨガは、流れるような動きを中心にした強力なスタイルで、力強いポーズのシリーズを練習します。身体的な強さと耐久力の向上を促します。
イェンガル・ヨガ: イェンガル・ヨガは、アーサナの精密なアライメントと長時間のポーズの保持に重点を置いたスタイルです。安定感と身体の調整能力を高めます。
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